白馬の状況(暖冬?雪はあるか?)
暖冬傾向!地球温暖化! このところ毎年聞いているような気がする。聞くたびに、頭をよぎるのは、11月の軽井沢プリンスホテルスキー場の
幅10メートルしかない人工雪のゲレンデの景色だ。
いずれ、白銀の世界は消え失せて、落ち葉の中に一反木綿を引いたようなゲレンデしか無くなってしまうのだろうか。
幸い今シーズンは、年末が近づくにつれ、そこそこ雪は降り、各地のスキー場も極端な雪不足は無さそうで、胸をなでおろした。
白馬の爺ヶ岳スキー場も無事にOPENしている。
白馬の爺ヶ岳スキー場も無事にOPENしている。
爺ヶ岳スキー場は白馬に連なるスキー場の南端、鹿島槍スキー場の更に南の麓にあり、
雪が少ない年はOPENしないこともある。鹿島槍スキー場に行くときには、その前を必ず通るが、初心者向けの1枚バーンのゲレンデなので滑ったことはない。
爺ヶ岳が滑れれば、他の白馬のスキー場は、ほぼ問題なく滑れる。
ロープウェイ山頂線の下には、真っ白なクリスマスツリーが林立していたが、樹氷としての出来具合は六割程だろう。
樹氷として完成?すれば、樹形もわからなくなる。白い怪物となり、群れを成して北風に向かって咆哮する。
学生時代にスキーを覚え、結婚してスキーから遠のくまで毎年蔵王に行っていた。
学生の頃は、冬休みからアルバイトに精を出し、学年末試験が終わるとそそくさと蔵王に籠る、社会人になってからは、1月、2月の祝日を惜しむように夜行列車に乗っていた。
定宿は、蔵王観光ホテルだった。蔵王観光ホテルには、スキーヤーズルームがあり、1泊2食4000円弱だったと記憶している。20畳程の大部屋に2段ベッドが並べられ、中央に大型の石油ストーブ、その回りにパイプ椅子が数脚おかれていた。個人のスペースはベッドの上のみ、ストーブの回りがリビングスペースと言えなくもないが、洗濯ひもが張られてタオルやら、スキーウェアが干されていて風情がありすぎだった。
その頃の蔵王は、温泉街でも毎年2m以上の積雪があり、4mになることも珍しくなかった。
12月初めから地藏山は雲に包まれ、強風、吹雪が荒れ狂う中で樹氷は育っていた。
1月、試験明けを待ちかねて蔵王に来た私を迎えてくれるのは、まず、樹氷橋付近の積雪。
ガードレールの高さをはるかに超えた雪を見て、胸が高鳴った。次に、スキーヤーズルームの障子(ドアではなかった)を開ける時、必ず注がれる数人の目。雪焼けで黒くなった顔が、どてら(綿入れ半纏)をはおってストーブの回りに牢名主のように陣取っている。
「よろしく」と一言掛けて、自分のベッドを見つけ、身支度を整える。部屋を出るときに、コソっと言われた一言が聞こえる。「こんな天気に、よく行くね」「初日だから」・・・
蔵王国際ホテルは、上の台ゲレンデの下だった。スカイケーブルで中央高原まで登り、見返りペアリフト、中央ゲレンデを滑り降り、中央第二ペアリフトを登る
この時期に、快晴の空を背景に樹氷の写真を撮れたなら、それこそ僥倖、日ごろの行いの賜物だ。
もっとも、この時期のガスと吹雪が無ければ、樹氷は育たない。ガス(雲)の水滴が風で吹き付けられ、あおもりトドマツヒュッテて、樹氷は育つ。樹氷は風上に向けて育ってゆく。
蔵王ロープウェイ山頂駅に鎮座する地蔵様の顔も樹氷の部品の海老の尻尾でおおわれる。
地蔵様の膝が雪で隠れれば、最近の平年並み。蔵王温泉スキー場の殆どのゲレンデが滑走可能となる。
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